2016.10.21
バラは、数多くある花の中で、紀元前から多くの人に愛され、「花の女王」とさえ言われています。バラ科に属する花木で、ギリシャ・ローマ時代にはすでに歴史に登場しており、バビロン王朝の宮廷にもバラの花は咲き誇っていたと伝えられています。
このころのバラは、いま私たちがよく目にする立派なバラではなくて、花も小さく、四季咲き性もありませんでした。
近代バラの誕生は、十八~十九世紀にかけてですが、東洋のバラが西洋に導入されるようになり、ナポレオン皇帝の皇后ジョセフィーヌの手によって、品種改良が飛躍的に進んだことが有名です。それまでは一季咲きで、主に香料や薬草として利用されてきたバラでしたが、四季咲きに改良され、花を楽しむことができるようになりました。
日本原産のバラ(原種)も、近代バラの発展に大きな役割を果たしています。日本原産の「ノイバラ」はフロリバンダ種に房咲き性の血が受け継がれ、「テリハノイバラ」は大中輪咲きつるバラにその血が受け継がれています。
バラを庭で楽しむ場合ですが、たくさんの品種があるので、解説や写真だけで選ぼうとすると迷ってしまいますね。そのうえバラには嫌地性といって、一度植えたものを抜いて植え替えても、よく生育しないことがあります。バラを植える場合は、咲き方や咲く時期、配色などを考え、植え替えなくて済むように庭の目的に合った品種を選びましょう。
大輪の美しい花を咲かせるバラ=札幌市中央区大通西12
北海道のバラ園は、今年(平成18年9月当時)は七月中旬ごろから開花が始まっていて、まだ見ごろが続きそうです。空高く、澄んだ風がそよぐこの季節、あなただけのバラを探しに足を運んでみてはいかがでしょうか。